Dec 11, 2009

赤ら顔が幸いした。

小学校の時、人前で話したり、友達を作るのが苦手な私でしたが、赤ら顔が幸いにも友人を作ることができた。今では問題かもしれないが、当時はまだ先生との距離も近く、こんな私を見て先生が赤ら顔を利用して笑いを持っていました。多分気にしないでくれとのメッセージだと前向きに考えて、それをきっかけに友達の数積極的に言うことできるようになることができた。何でも肯定的に考えたいと思います。
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 「このトシになって、また新たな自分になることを望みながら演じているんですよ」

 役者生活35年の大ベテランが「いつも以上に集中力が必要」という難しい舞台に挑戦している。14日から東京・渋谷のPARCO劇場で上演される「幽霊たち」。ホワイトと呼ばれる男(奥田)が、私立探偵ブルー(佐々木蔵之介)に怪しげな依頼をするところから物語が始まる。原作は現代アメリカを代表する作家、ポール・オースター。前衛的な作品が多く、この物語でも「自己とは何か?」という難しい問いを投げかけている。

 しかも演出は、個性派俳優としても知られる白井晃。彼の演出もまた独特で、稽古の最中に台本をどんどん変えていくスタイルだ。つまり、原作も演出もダブルで難易度の高い舞台なのだ。

 「今回は、予定調和の演技はできない、役者泣かせの作品ですね。どれだけ集中力を持ち、順応性を持って対応するかが大切です。新人なら真っ白な状態だけど、僕はもう“どどめ色”なので、染まりにくいんですよ。だから、自尊心は持ちながらも、プライドは捨てるように心がけています。いまは保育園児から小学校6年生くらいの素直だった自分に戻った気持ちで芝居に向かっています」

 “役を演じる前の自分”を演じている。頭がこんがらがりそうだが…。

 「ずっと際限なく人生を演じています。家にいる時は、父親や夫を演じていますし、ベッドで寝る時ですら、“ひとりで寝る男”になっていますね。だから、『本当の奥田瑛二はどれですか?』と言われても、ひとつもありません。でも、全部が自分だとも言えます」

 演じるというのは、常に自分を客観視するということなのだ。そんななかで最近、大きな変化があった。

 「自制できるようになった。大人の扉を開けたんだ、と思っています。周りから『大人になってくださいよ』ともらっていた鍵を捨てないでいてよかったと思います」

 “大人になるための鍵”を使えるようになったのは、映画監督になってからだという。2001年に監督デビュー。その後、モントリオール世界映画祭のグランプリなど数々の賞を受賞している。その監督業が人生にどんな影響を与えたのか?

 

 「いままでと立ち位置が逆になったんですよ。監督に身も心も食われる役者から、役者を食べる監督の立場になった。役者が24色の絵の具だとしたら、監督が指示する色を出さないといけない。もっと違うものを出したくても、それは禁じられている。だからフラストレーションがたまったり、反対に持っているエネルギーを放出しすぎたりしてしまう。いままでは、それを元の状態に戻すために酒を飲んだり遊んだりしていた。でも監督には、そういった精神的な空腹感はないし、責任感と楽しさも生まれる。その結果、誘惑にかられなくなりました」

 映画監督という違う立ち位置を得たことで、より自分を客観視できるようになり、役者でいることも苦にならなくなったというのだ。

 「この舞台では100%役者をやっているけど、ストレスをためずに白井さんの世界に心と体を提供できるようになりました。監督をやったことで、“良い役者とはなにか?”が分かったので、集中力が出てきたし素直にもなれます。でも、あまりに厳しくされると、今度は自分の映画に白井さんを使って、いじめてやろうかなと本気で思ったりします」

 といいつつ、白井の演出はかなりリスペクトしている様子。秋にはモノオペラの舞台演出も手がける予定だが、「今回の舞台の演出は、かなり参考になっていますね」と“演出家の顔”で笑う。

 最後に、今回の舞台のテーマでもある「自己とは何か?」について聞いてみた。

 「血族を離れたものが自己だと思う。生まれてきたのは母親の肉体からだけど、生まれたこと自体は神の摂理。だから、アイデンティティーを持つことが大切ですね」

 舞台同様、深くて難易度の高い回答が戻ってきた。(ペン・加藤弓子 カメラ・野村成次)

 ■おくだ・えいじ 1950年3月18日生まれ、61歳。愛知県出身。76年のドラマ「円盤戦争バンキッド」で主演デビュー。94年の「棒の哀しみ」でブルーリボン賞をはじめ、国内の主要映画祭の主演男優賞を総なめに。2001年の映画「少女」で監督デビューし、パリ映画祭、AFI映画祭でグランプリ受賞。06年の「るにん」は米のthe Method Fest映画祭最優秀作品賞受賞、「長い散歩」はモントリオール世界映画祭のグランプリなど三冠を受賞した。パルコ・プロデュース公演「幽霊たち」は東京公演(7月3日まで)のあと、名古屋、広島、福岡、大阪でも上演する。

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